土の中から掘り出したガラスびんを研究してます


by HBC-BOW
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魅惑の神薬-1

ガラスびんコレクターならば、必ずや「神薬」の魅力に
取り憑かれているのではないだろうか。
この怪しげなネーミングとともに思わず目を見張る瑠璃色の小びんは、
我々ガラスびん好きの心をつかんで離さない。
コレクションのプライオリティーも最上位に近いランクではないだろうか?

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元々、西洋において瑠璃色(コバルトブルー)のびん色は、口にしてはならない
「NOT TO BE TAKEN」の注意喚起の色だった。
しかし、色彩心理学的にもブルーの色味は、人間の精神の鎮静効果を
もたらすと云う。
ましてや、ガラスの瑠璃色(コバルトブルー)は、透明である。
光をたっぷりと含み輝く・・・
この光を取り込んだ時の瑠璃色(コバルトブルー)の美しさは、まさに鉱物、
宝石のような輝きであり、我々に深い安堵感と癒しを与えてくれる。

この斬新な色鮮やかな色味とネーミングの代物は、現代の我々以前に当時の
人々の西洋へのあこがれを喚起するものであり、ハイカラの象徴であったのだ。
また、どうやら「神薬」こそが、我が国における売薬びんの「青びん第1号」と
考えられ、当時のある種のブームもあったようだ。 


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この「神薬」、いかにも国粋的ネーミングでありながら、実は文明開化とともに
誕生した和薬でない洋薬を基礎とするものであった。
しかしながら、その効能の謳い文句とは裏腹に内容成分は怪しい代物で
あったことは、「神薬」好きならば周知の話である。
昭和51年、厚生省によるクロロホルム使用禁止の勧告を境に、市場から姿を
消して行った・・・


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この写真の「神薬」は、まぎれもなく明治期の「邑田(むらた)資生堂」の
神薬である。
びんの首部にあるネックリングは、薬液がびん口から滴った際に、
それを阻止する役割のもので、これは古いびんの持つ特長のひとつである。

「邑田(むらた)資生堂」は、目薬の「一方水」でも有名であるが、
東京都内に複数軒存在した
「資生堂」の中でも「本町資生堂」の製薬所「牛込資生堂」の流れをくむ。


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「資生堂」と言えば、現在の化粧品メーカーで世界的にも有名な
「福原有信の資生堂」を思い浮かべると思われるが、純粋にはこの
「福原、資生堂」では「神薬」を製造していなかったと云うことができる。
もちろん福原有信と「神薬」との関係は、深い関係ではあるけれども、
掛川の資生堂資料博物館にも「神薬」製造の記録はどこにもない。

胃腸薬として有名な「コロダイン」との関係も深く、「コロダイン」自体も
謎めいた売薬の一つであるが、
成分組成からして同等、または同一の代物なのである。


我々HBCのボトル・ディギングアイテムの中でも当然プライオリティーの
高いこの「神薬」を取り上げ、
数回に渡り、ご紹介して行きたいと思います。




「邑田資生堂 神薬」:奥沢ニコニコ団所蔵

出典:謎の売薬「神薬」(第一部〜二部) ボトルシアター館長 庄司 太一

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by hbc_nkzk2 | 2010-07-02 22:22 | 神薬