土の中から掘り出したガラスびんを研究してます


by HBC-BOW
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

カテゴリ:神薬( 21 )

ビンBOW夏休み旅行記-01

d0110641_17155326.jpg

病み上がりの静養旅行です。
でも元気な時に予約したので、結構遠方への強行軍な旅だったような・・・

この美しい水平線の先には、今話題の「竹島」があります!


d0110641_17154821.jpg

いんや〜晴天! ちょー暑い!
なんで、東京よりも暑い場所を選んでしまったのか・・・
まー何も考えてない、いつものことです(笑)


d0110641_17162415.jpg

羽田7:40のフライト。前の飛行機がバードストライクで離陸が1時間も
遅れました。何のために4時半起き!?でもなんやかんやで出雲空港到着。
空港からレンタカーでいざ世界遺産の石見銀山へ2時間弱のドライブ!


d0110641_17163421.jpg

世界遺産なので、車の乗り入れが規制されており、遠方の駐車場に
車を停めて、バスで銀山近くに来ます。面倒です。疲れます。


d0110641_17164937.jpg

旅行パックに付いていたレンタサイクルで銀山跡まで2km程の道のりです。
実際に来てみると・・・えっ?!結構、車が走ってます! 
それも地元の方だけでなく・・・飲食店の駐車場もあるし・・・


d0110641_17163974.jpg

しかし、このレンタサイクルは電動アシスト付きです。
以前、会社にあったので乗り馴れてますが、ちょっと気になるお店の前も
あっあっと云う間に通り過ぎてしまいます(笑)


d0110641_17171091.jpg

電動アシスト付きと云っても汗だくです。
暑さも手伝って、人間不思議なもので通り過ぎた場所へは戻ろうとせず
先を急いでしまいます・・・気になるお店が沢山あったのですが・・・
これって私だけ?


d0110641_17172099.jpg

雰囲気のあるレトロな商店街を進みます。
ちょっと登り坂なので電動アシスト付きでよかった!!!

やっと着いたかと思えば、自転車は所定の場所に置いて、
歩かねばなりません。
そして、とうとう銀山跡の坑道前に到着。 おおお!涼しい風が!


d0110641_17171116.jpg

中に入ると坑道内は、驚くほど奥深く続いており、所々に鍾乳石が。
しかし、涼しくてちょー気持ちよい!


d0110641_1717443.jpg

坑道を出るといきなり南国のような熱気・・・
長く坑道を歩いた分、自転車置場までまた歩かねばなりません。
く−ーーっ暑い!


d0110641_17175452.jpg

駐輪場へ歩いていると・・・ん?・・・・なんか匂います・・・
長年の勘? いや経験? いつもの匂いですね。
導かれるように脇道に入ります。



d0110641_17174551.jpg

めっけ!!! 
ひっくり返すと三日月と星のエンボスマーク!?
なんじゃこれは!? 初見! 完品! ごっつぁんです!
まるでトルコの国旗、赤十字のイスラム圏のマーク! 
びん底には、大きく4の数字のエンボス。


d0110641_17175626.jpg

よーく目を見張ると近くにも大きなボトルなどが埋まってます。
下は「PEASE WHISKY」のボトル。
このウイスキー、PEACEじゃないところが面白いんですよね。


d0110641_17182560.jpg

しかし、この季節、草木はぼーぼーでアブや蚊が襲って来ます。
半ズボンに半袖の私は、月星のビンとその近くに埋もれていたクリームびん
だけ持って退散しました。
クリームびんは乳白でネジ山のない古いもので、これまた初見でした。



d0110641_171918100.jpg

ここは、琴ヶ浜です。
鳴り砂で有名な浜です。
その昔、TVで知って一度は来てみたかった場所。
でも・・・歩いても鳴きません、鳴りません???
私だけ!???

銀山跡からの帰りは、月星びんゲットで、かなりテンションが上がって、
レンタサイクルをビュンビュンにとばして緩やかな坂を下りました。
キャッホー!と叫びたいくらいでした(笑)
なんかこの旅の行方を占う、一発目の良い始まりを予感したんです!
レンタサイクルを返して、またバスに乗って車の駐車場まで行きます。
バスを降りて、裸で入れていた泥付きの月星びんとクリームびんを
ウエストバックから取り出し、車のトランクからビニール袋を出そうと
思った瞬間・・・

そうそう、世の中、うまくは行きません・・・
人生とはこんなもんです・・・

なんと、月星びんが手からすっぽり抜け落ちてしまったのです・・・
乳白のクリームびんだけが手に残ってます。
無惨にも駐車場のアスファルトに落ちた月星びんは、思いっきり
口部分が吹っ飛び、月星のエンボスには大きなヒビが・・・

この落胆・・・皆さんお分かりになりますか?
大大大ショックで手が震えました・・・
石見銀山の良い記念になると思ったし、初見のレア品だったし、
旅の幸先を占う良い兆候だと思っただけに・・・

それで、琴ヶ浜に寄らずにはいられなかったのです。
あー残念、いや残忍・・・
浜が鳴かずとも、私が泣いた・・・(笑)
あまりのショックで割れた月星びんと一緒に乳白のクリームびんも
捨てて来てしまいました。

でもビンBOW旅は、これだけでは終わりません。いえ終われません!
私は、強い言いようのない何か意志のようなものを覚えたのです。


be continued・・・
[PR]
by hbc_nkzk2 | 2012-08-25 17:19 | 神薬 | Comments(2)

「むらた神薬」

d0110641_22293028.jpg


お馴染みの「邑田(むらた)資生堂」の神薬。 全長約95mm。
わりと新しいタイプです。


d0110641_22295254.jpg


この「むらた神薬」は、町田忍氏の「懐かしの家庭薬大全」によると
平成10年まで製造していたそうです。


d0110641_2230411.jpg


成分は、トコンチンキ・トウガラシチンキ・芳香チンキ・ℓ-メントール・
苦味チンキ・龍脳・安息香酸。


d0110641_22301665.jpg


効能は、胃痛・腹痛・酒よい(二日酔い)・舟車よい・食あたり・水あたり
・暑気あたり・はきくだし・胸つかえ・目まい・気付け・そっとう・痰・
せき・どくけし。


d0110641_22302680.jpg


中身入りだったので別のビンに入れ替えました。
ついでにちょっと味見・・・いや味見じゃなくて服用!?・・・


d0110641_2248692.jpg


匂いは、町田氏も記述しているように独特で仁丹を甘くしたような感じ。
でも味も同じ!
仁丹と水飴を一緒に口に入れたようなお味です。
仁丹と云うより・・・サロンパスかな・・・

以前、もっと古い神薬を舐めたときと同じ味でした。が、昔の神薬の
成分とはまるで異なっているようですがー・・・

古い神薬で中身入りがまだあるので、今度臨床実験してみますか!(笑)
[PR]
by hbc_nkzk2 | 2011-09-02 22:56 | 神薬 | Comments(4)
何度かご登場頂いております「妖怪N氏」。いや「怪物N氏」の
コレクションのほんの一部、神薬&コロダイン系のみを
紹介させて頂きます。
N氏は、びんを集めだして3年です・・・3年ですよ!!!

怪物たる由縁です・・・

d0110641_2315132.jpg


d0110641_2323172.jpg


d0110641_23145558.jpg


d0110641_2324939.jpg


d0110641_233964.jpg


d0110641_2332278.jpg


d0110641_2333623.jpg


d0110641_2335251.jpg


d0110641_234527.jpg


d0110641_2341751.jpg


d0110641_2343345.jpg


d0110641_2344813.jpg


d0110641_235228.jpg


d0110641_2352365.jpg


d0110641_2354191.jpg


d0110641_2361146.jpg


d0110641_236071.jpg


d0110641_2363612.jpg


d0110641_237193.jpg



かかっか看板まで〜〜〜〜っ!!!!!!!

ふ〜〜〜〜〜っ・・・・・・

ため息しか出ませんね・・・・

一部、今までに登場し重複したものは省かせて頂きました。

これでも省いてんですけど・・・何か?

神薬特集のおまけ(これ、おまけか?)は本当に終わりにします。

あ〜怪物の毒気に当てられたような・・・・

しかし、それにしても凄いコレクションとしか、

言いようがありましぇん・・・・


次回は、かか軽いの行きますので・・・
[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-09-09 23:19 | 神薬 | Comments(8)
「孤高のディガーyoshiさん」がお写真を送ってくださいました。

これらは、ご実家にあったとか・・・

d0110641_2028299.jpg


内容物も容器も変わった新生神薬ですね。
町田忍氏の「懐かしの家庭薬大全」によると、チューブタイプは今でも
売ってるとか・・・この本、平成15年刊ですが・・・

d0110641_20284981.jpg


こんな、樹脂容器まであったんですね!

d0110641_20291794.jpg


yoshiさんは、子供の頃に実際にお母様に言われて「神薬」を使っていた
そうです。
昔の怪しい神薬を使っていた最後の世代ですね。


次回は、おまけの本当の最後です!
どーぞよろしく!
[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-09-03 20:41 | 神薬 | Comments(0)

「魅惑の神薬」-5

d0110641_0303544.jpg


「神薬」と云うネーミングは、いかにも国粋的、または神仙思想的であるが、
当時の西洋医学を取り入れようとした非常にイノベーティブな売薬であった
ことが解って来た。
とは云え、内容成分においてはとても近代医学の礎であったとは考えにくい
代物であるが、ここがまた面白い。
そしてまた、この容器が当時の近代医学の象徴であるかのように人気を博した
ことも興味深い。

7年ほど前のことであるが、私が東京都内の山間の廃村を訪れた時のことである。
ある程度の場所の特定はしていたものの、地図を片手に注意深く廃村へ向かう
荒廃した山道を歩いていた。
すると、足下にコバルトブルーのガラスの破片を見つけ驚愕、興奮して先を急ぐ
と次々と破片は多くなり、とうとう「神薬」のエンボスを確認できるまでの
破片を数十個拾ったことがある。
まるでおとぎ話の世界のようであったが、残念ながらこの時は、「神薬」の
完器を手にすることは出来なかった。
おそらく、林業を主体に生活を営んでいたこの村人は、日常的に「神薬」を
気付け薬として使用していたと推測でき、その量たるや驚くべき量であった。
完器を求めて再び訪れたこの「村」は、以前「昔取った杵柄シリーズ01」で
紹介したが、思わず我々HBCのドリームランド、ワンダーランドだとばかりに
「HBC-LAND」と称した「神薬ザクザクのハケ」があった。
いたるところに転がっている以外に、一軒の家屋跡地の小さなハケから一度に
10個以上の「神薬」を掘り出す幸運に恵まれた。
これは、「神薬」が木こりだけの使用にとどまらず、家庭内においても子供を
含めて幅広く浸透していた証ではないだろうか。

「甘スースー」。

真っ黒いおどろおどろしい液体は、口にすると甘くてハッカの香り・・・
そして気分は高揚する・・・
楽しみの少ない時代、それも山間部では嗜好品として、また子供の駄菓子
としても扱われていたかも知れない。



この神薬は、ビン底に屋号のエンボスがあります。

d0110641_0341020.jpg

d0110641_0342530.jpg



こちらは、透明やアクアの神薬。

d0110641_0343855.jpg



茶筋入りの神薬など。

d0110641_0345132.jpg



コバルトブルーでない水色とピンクの神薬。
d0110641_035459.jpg



角形神薬。
d0110641_0351682.jpg


d0110641_0352927.jpg



こちらは、円柱形の「霊神薬」
d0110641_0354142.jpg


d0110641_0355753.jpg



角形の富製薬株式会社の神薬。残念ながら割れてます。
d0110641_0361227.jpg

d0110641_0362617.jpg



「神薬」とエンボスがなくてもこれらの容器にラベルが貼られて神薬が
入っていたことを骨董屋さんで確認したことがあります。
様々な薬ビンとして流用されたのでしょうが、このコバルトブルー、
瑠璃色のビンに納められていたのは、ほとんどが「神薬」ではなかったの
ではないでしょうか?

d0110641_0363719.jpg




次回は、「神薬」「コロダイン」についてです。
[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-07-31 00:46 | 神薬 | Comments(0)

魅惑の神薬-4

d0110641_2244918.jpg



これまで「邑田(むらた)資生堂」や「福原資生堂」、「山内資生堂」、
はたまた「新田資生堂」などと様々な「資生堂」名が出て来て、理解出来ない
方も多かったと思われる。
先述した通り、「資生堂」と言えば、現在の化粧品メーカーで有名な
「福原有信の資生堂」を思い浮かべるが、純粋にはこの「福原資生堂」では
「神薬」を製造しなかったようだ。
事実、「資生堂百年史」や「資生堂社史」にも言及は確認出来ず、たとえば
明治5年創業から明治21年までの当時の製品をあげると「きちがいの薬・神令水」
「なかちしらち(長血・白血)の薬・清女散」「口中一切の薬・金水散」
「けはひ薬・蒼生膏」「胸腹一切の薬・愛花錠」「胃腸の妙薬・ペプシネ飴」
「小児躰毒下し」「福原衛生歯磨石鹸」等があるが、その中にも「神薬」だけは
みつからないのである。
しかし、福原有信なしでは「神薬」を語る事はできないほどの深い関係である
ことは間違いない。

福原有信は、国策会社「大日本製薬会社」の設立や「帝国生命保険会社」の創設
者として知られる著名な人物である。
東京大病院勤務を経て、明治4年(1871)海軍病院薬剤官に就任。その後、西洋に
ならい医薬分業を実践するために海軍病院薬局長の官職を退き、明治5年(1872)
に民間事業として新橋出雲町16番地に洋風調剤薬局「資生堂」を創業した。
2Fに診療所を設け、1Fに薬局を置くと云う方式のものであった。
これと平行して、有信は本町1丁目にも「西洋薬舗会社」を開局した。
これは師である陸軍軍医総督「松本良順」に勧められたもので共同経営と云う
形で開業した。
この時点で有信は、出雲町16番地の「資生堂薬局」と本町1丁目の「西洋薬舗会社
資生堂」の2つの資生堂を経営することになる。
「資生堂」と云う社名は、易経の「万物資生(万物とりてなる)」つまり
「万物は徳をもとに生まれる」と云う言葉からとったものと云われている。
有信は、西欧流の正しい医療を提唱し、宮内庁御用達にも任じられ、陸海軍両省
への納品を許可されるまでとなったが、それもつかの間、経営破綻を来たし、
明治7年、8年と相次いで2つの「資生堂」の解散を余儀なくされた。

かくして、「西洋薬舗会社資生堂」は、良順の働きかけで「資生堂」の名称は
残しつつ三井組(三井銀行前身、三井合名会社)に売却され、
一方「資生堂薬局」の方は、有信個人の経営となった。
この「三井資生堂」は、所在地名から「本町資生堂」、「福原有信資生堂」も
所在地名をとって「新橋資生堂」と呼ばれるようになった。
この「福原有信資生堂」=「新橋資生堂」が、現在の(株)資生堂の前身でること
は云うまでもない。
一方、三井が出資した「三井資生堂」は、しばらくの間続き、明治中頃には
「中田資生堂」と呼称が変わり、大正の初め頃に姿を消したそうだ。

また、他の「牛込資生堂」は、本来「西洋薬舗会社資生堂(本町資生堂)」の
製薬所「副会社資生堂薬舗」として知られ、「西洋薬舗会社資生堂(本町資生
堂)」解散後は、三井系列から離れ、当時牛込早稲田にあったことから
「牛込資生堂」と呼ばれるようになった。
これが「邑田(むらた)資生堂」の前身と考えられる。
創業者・邑田弥平は、明治35年に没し、その後、弥平の呼称は3代まで踏襲
されたと云われている。

「西洋薬舗会社資生堂(本町資生堂)」が解散の際、関係者がそれぞれ
売薬権を分取し、田中久右衛門が「室町資生堂」を経営。
「山内資生堂」は、山内作衛門の経営となった。「室町資生堂」は、後に
田中久右衛門が権利を新田長次郎に譲渡したことから「新田資生堂」の名称で
しばらく存続したけれども、昭和18年の企業整理で田辺製薬に売却されている。

その他、京都四条通御旅町にも「響庭(あえば)資生堂」や台湾の薬種業を
一手に収めた「台湾資生堂」があり、さらにはそれぞれ「資生堂」の薬剤師が
独立分離して同名を名乗るケースもあったようだ。
東京市神田区猿楽町の「笠井資生堂」などが、その例である。

こうした、複雑な事情の中で複数の「資生堂」が存在し、それぞれがいくつかの
タイプの「神薬」を生み出した。
よって、明治期から大正期にかけては、同じ資生堂でも異なったタイプのびんが
作られたようで、びんだけで特定することは非常に困難である。
庄司先生も手持ちのびんに対しての解説は、憶測の範囲を出るものではなく、
今後のさらなる情報に期待したいと述べている。




d0110641_22541598.jpg


これは、保壽堂製薬の保壽神薬。

d0110641_22543133.jpg



こちらの3色神薬は、岩瀬売薬会社のもの。

d0110641_22544422.jpg


d0110641_22545861.jpg



こちらは、東京市麹町区有楽町・全国購買組合連合会の「組合神薬」である。

d0110641_22551534.jpg


戦前の昭和期を代表するものであった。
この組合連合会(全購連)は、その名の通り家庭薬を全国各町村組合を通じて
組合員に配給する連合機関であり、この「組合神薬」もその家庭薬のひとつで
あった。

d0110641_22552920.jpg


びんの表は「組合神薬」、裏には「共存同盟」と印された桜マークのエンボスが
特長である。
この「組合神薬」も富山売薬の神薬同様、戦前・戦中・戦後にかけて全国的に
普及していたと思われる。
先に紹介した大きいサイズの神薬とほぼ同形、同容量と思われる。


d0110641_22553913.jpg




d0110641_2255511.jpg


25〜30gの神薬

d0110641_22561342.jpg



篆書体の神薬。

d0110641_22563510.jpg




d0110641_2259285.jpg




d0110641_22591613.jpg



もう数回、神薬特集やります。
もうしばらくご辛抱を・・・・





所蔵すべて:BOW会長

出典と云うより、ほとんど抜粋:
謎の売薬「神薬」(第一部〜二部) ボトルシアター館長 庄司 太一

[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-07-24 22:57 | 神薬 | Comments(4)

魅惑の神薬-3

d0110641_14505841.jpg


「置き薬」と云えば、今日でも地場産業として富山、滋賀、奈良、佐賀などを
中心に、全国に販売ルートを持つ売薬である。
特に富山の配置販売は、歴史も古く元禄3年(1690)にまで遡る。
そして、配置薬において庄司先生が現在までに確認している「神薬」は、
富山売薬と奈良売薬のものが大多数だそうだ。
中でも、富山売薬の代表的なものをあげると、

朝日製薬(株)「アサヒ神薬」、(株)廣貫堂「トヤマ神薬」、滑川(株)、
保壽堂「保壽神薬」、(株)酒井大岩堂「サカイ神薬」、
(株)仁済堂「仙泉神薬」、越中薬業(株)「仙翁神薬」、
日ノ本売薬(株)「日本神薬」、水原薬房「改良神薬」、
東亜製薬(株)「東亜神薬」、東洋製薬「東洋神薬」、
富山薬剤(株)「太陽神薬」、高岡薬剤(株)「起死回生神薬」、
(株)茶木谷廣貫堂「常備救急神薬」、壽全堂「仁命神薬」。

これ以外にも、ただの「神薬」と云う製品名のものに関しては、

保寿堂製薬(株)、配薬(株)、(株)師天堂、(株)厚生師天堂、
岩瀬売薬会社、共栄製薬(株)、富山売薬(株)、新興日本製薬(株)
などのメーカーがあったが、
昭和中頃にはその数50社は下らなかったそうである。

庄司先生によると富山売薬の「神薬」びん形状は、大きく4タイプに
分類出来るそうである。

1)胴体が角張った長方形をしたもの
2)胴体が丸みをおびたもの
3)胴体が六角ないしは八角柱をしたもの
4)平たい方形をしたもの  ※この4)のタイプは、さらに細かく分類出来る



このサークルK神薬25gは、富山は共栄製薬(株)のものである。

d0110641_14513287.jpg


裏面には「富山県中田町 共栄製薬KK」のエンボス

d0110641_14515017.jpg




こちらは富山と云えば「(株)廣貫堂」の「トヤマ神薬」(左)

d0110641_1452847.jpg


右は、表が「神薬」のみで裏面に「トヤマ廣貫堂」のエンボス

d0110641_14523237.jpg



これは裏面に「薬生堂」のエンボス

d0110641_14525784.jpg

d0110641_145312100.jpg



この神薬は、胴体が丸みをおびたタイプの「延壽堂神薬」

d0110641_1453341.jpg


富山売薬主流の中、この丸みをおびたタイプは奈良の大和売薬の流れを
くむものと思われる。
やはり配置薬において伝統ある奈良の大和売薬は、大正から昭和10年代に
かけて、奥村正永堂、梶谷延壽堂(現・新生薬品工業)、盛徳堂薬館、
豊島貫正社(現・豊島製薬)、宮本延壽堂(現・延壽堂製薬(株))、
安本恵星社(現・成光薬品工業(株))など、50社に近いメーカーが
「神薬」を盛んに製造していたそうだ。


d0110641_14535470.jpg


この地方の「神薬」は、ほとんどのびんに「コロダイン神薬」と表記されて
おり、びん形の特長は、富山のものに比べると「なで形」であった。
右は、安川コロダイン

d0110641_14541361.jpg




こちらは「本統神薬」、「新田資生堂」のものと判断できる。

d0110641_14543149.jpg


「本統」と云う言葉は、いかにも偽薬に対し、正当性を主張しているかの
ようである。それだけ、多くの様々な「神薬」が存在した証でもある。

d0110641_14545145.jpg


裏面に「東京資生堂」のエンボス

d0110641_14551089.jpg


「本統神薬」は、明治中期から大正期にかけてのものと思われる。

d0110641_14553455.jpg


「佐藤尚中博士方剤」

d0110641_14555560.jpg




あと数回、神薬特集やります!





所蔵すべて:BOW会長

出典と云うより、ほとんど抜粋:
謎の売薬「神薬」(第一部〜二部) ボトルシアター館長 庄司 太一

[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-07-18 14:56 | 神薬 | Comments(6)

魅惑の神薬-2

d0110641_2220437.jpg


効能:霍乱(かくらん/日射病)、腹痛、虎狼痢(コロリ=コレラ)、眼病、
頭痛、食欲不振、通風、破傷風、手足筋引きつり、めまい、産前産後の
血の道、小児疲疳(慢性消化器障害)、驚風(脳膜炎)、百日咳、虫一切、
痘瘡(天然痘)、麻疹の節によし、切り傷、突疵、打身、虫歯、
牛馬急病疵所に用いてよし



d0110641_22205731.jpg


明治10年西南戦争のおかげで「神薬」の売れ行きは、かなりのものであった
と云う。
この戦役において「山内資生堂」は、「神薬」で大いに財をなしたと
伝えられる。
しかもこれを契機に明治中頃には、一種の「神薬」ブームが起こったそうだ。
しかし、明治40年代に入ると、この万能薬も他に台頭してきた売薬に押され、
次第にその姿を潜めるようになる。
しかも、当時の政府は「売薬」を抑圧し、漸次万能薬を特効薬へと改良淘汰して
行く方針を打ち出した。これはまさに売薬の撲滅が本旨であった。   
さらに、「神薬」における重要な人物である「松本順」「佐藤尚中」「林紀」と
云う西洋医学の匆々たる後ろ盾が、明治15〜40年の間に他界してしまう。


d0110641_22211177.jpg


このような要因から明治後期には、「万能薬、神薬」の姿は次第に姿を
消しつつあった。
ところが、こうした時期と前後して、その後「神薬」は全国各地へと散らばって
行き、「配置売薬」へと姿を変え、その後の大正、昭和期にかけては、
主に「置き薬」として生き残る運命を辿る。
それも従来の万能薬ではなく、新たな「気付け薬」としてであった。


d0110641_2224447.jpg


大正期に入ると、政府の和薬に対する方針の緩和もあり「置き薬」の巻き返しに
ともない「神薬」は庶民の人気商品へと着実にその地位を築いて行った。
「置き薬」として行李(こうり)に納められ、大きな風呂敷に包まれ、
売薬商人の背中に担がれて、全国各地へと運ばれて行ったのである。
かくして「神薬」は、昭和期に入り配置薬として不動の地位を築くに至ったが、
第二次世界大戦の勃発によって、原料配給や価格統制の影響を受け、さらに
処方統一化もあって、再び「神薬」メーカーは急速に衰退して行くことになる。


d0110641_22241828.jpg


そして、前述したように昭和51年に厚生省から出された配合主成分エーテル・
クロロホルム使用禁止の勧告を受け、庶民の人気商品「神薬」は、
一気に市場から姿を消して行ったのであった。





所蔵すべて:奥沢ニコニコ団

出典と云うより、ほとんど抜粋:
謎の売薬「神薬」(第一部〜二部) ボトルシアター館長 庄司 太一

[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-07-09 22:38 | 神薬 | Comments(0)

魅惑の神薬-1

ガラスびんコレクターならば、必ずや「神薬」の魅力に
取り憑かれているのではないだろうか。
この怪しげなネーミングとともに思わず目を見張る瑠璃色の小びんは、
我々ガラスびん好きの心をつかんで離さない。
コレクションのプライオリティーも最上位に近いランクではないだろうか?

d0110641_2245674.jpg


元々、西洋において瑠璃色(コバルトブルー)のびん色は、口にしてはならない
「NOT TO BE TAKEN」の注意喚起の色だった。
しかし、色彩心理学的にもブルーの色味は、人間の精神の鎮静効果を
もたらすと云う。
ましてや、ガラスの瑠璃色(コバルトブルー)は、透明である。
光をたっぷりと含み輝く・・・
この光を取り込んだ時の瑠璃色(コバルトブルー)の美しさは、まさに鉱物、
宝石のような輝きであり、我々に深い安堵感と癒しを与えてくれる。

この斬新な色鮮やかな色味とネーミングの代物は、現代の我々以前に当時の
人々の西洋へのあこがれを喚起するものであり、ハイカラの象徴であったのだ。
また、どうやら「神薬」こそが、我が国における売薬びんの「青びん第1号」と
考えられ、当時のある種のブームもあったようだ。 


d0110641_2251911.jpg


この「神薬」、いかにも国粋的ネーミングでありながら、実は文明開化とともに
誕生した和薬でない洋薬を基礎とするものであった。
しかしながら、その効能の謳い文句とは裏腹に内容成分は怪しい代物で
あったことは、「神薬」好きならば周知の話である。
昭和51年、厚生省によるクロロホルム使用禁止の勧告を境に、市場から姿を
消して行った・・・


d0110641_22532100.jpg


この写真の「神薬」は、まぎれもなく明治期の「邑田(むらた)資生堂」の
神薬である。
びんの首部にあるネックリングは、薬液がびん口から滴った際に、
それを阻止する役割のもので、これは古いびんの持つ特長のひとつである。

「邑田(むらた)資生堂」は、目薬の「一方水」でも有名であるが、
東京都内に複数軒存在した
「資生堂」の中でも「本町資生堂」の製薬所「牛込資生堂」の流れをくむ。


d0110641_2255076.jpg


「資生堂」と言えば、現在の化粧品メーカーで世界的にも有名な
「福原有信の資生堂」を思い浮かべると思われるが、純粋にはこの
「福原、資生堂」では「神薬」を製造していなかったと云うことができる。
もちろん福原有信と「神薬」との関係は、深い関係ではあるけれども、
掛川の資生堂資料博物館にも「神薬」製造の記録はどこにもない。

胃腸薬として有名な「コロダイン」との関係も深く、「コロダイン」自体も
謎めいた売薬の一つであるが、
成分組成からして同等、または同一の代物なのである。


我々HBCのボトル・ディギングアイテムの中でも当然プライオリティーの
高いこの「神薬」を取り上げ、
数回に渡り、ご紹介して行きたいと思います。




「邑田資生堂 神薬」:奥沢ニコニコ団所蔵

出典:謎の売薬「神薬」(第一部〜二部) ボトルシアター館長 庄司 太一

[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-07-02 22:22 | 神薬 | Comments(8)
d0110641_2032442.jpg

私は、やはり今回はこの「デカ神薬」が一番でしたねー。
左のアクア色の通常サイズと比べてください。大きいでしょう!
でも、このサイズ、すでに持っている「組合神薬」大サイズと同じ型でしたね。


d0110641_20322228.jpg

まーこれを機に、調子こいて、近々「神薬特集」しましょうかね!


d0110641_20323689.jpg

そして「黄金水/愛生堂」これも大きいですよね。


d0110641_20325632.jpg

これらは、エンボスもの、もろもろ。
左のホーカー液は、裏面に「堀越」名もなく文字も小さいですね〜。
真ん中は「水椿本舗、三宅堂製造」、右は「木津善薬房」


d0110641_20331078.jpg

ウルトラQに出てくる怪獣の卵みたいです・・・クリームびん。


d0110641_20332587.jpg

右は、のりのビンですが、よく見るタイプより小さめです。
左は、調味料入れか楊枝入れ、珍しいのはキャップが陶器製なんです!


d0110641_20333816.jpg

ちびっ子たち。左の大学目薬/参天堂薬房とサイズ比較してみてください。


d0110641_20335133.jpg

左端は、インク壷ですが、Bですよね、完全に。


d0110641_2034975.jpg

これは、S君が掘り出した「ネオ クライエキス/木澤」
以前、A山でも堀り出していたので、私にくれました。ありがとやんす!


d0110641_20342587.jpg

で、左はニコニコ団からバレンタインデーにもらった「ヴィベリンエキス」
裏面には「相互薬品試験所」。いったいこの2本の関係は?!


d0110641_20343710.jpg

オイルや化粧水のボトルたち。


d0110641_20345174.jpg

梨地のテクスチャーびんたち。


d0110641_2035369.jpg

アラバスターガラスの化粧びん親子。


d0110641_20351674.jpg

右は、有名な「桜屋」。昔、下北沢で買いましたねぇ、これ。
真ん中は、「Cherry Kosen」。
S君曰く、以前A山探索で出た「千鳥柄のボトル(割れていたが)」に
「京都チェリー鉱泉所」とエンボスがだったそうです。 もしかして同メーカーか?


d0110641_20352855.jpg

左は、「新楽牧場/消毒全乳 正味量一合式」ネジ式ガラス栓。
でもガラス栓は欠けてました・・・
右は「高温 殺菌全乳 SK木村牧場1.80L./守山本店 五八番 電話 
八幡支店 三二三番 八日市支店 三二七番」ネックリング付き。
これだけエンボスバカなのですが、エンボスが甘くちょっと迫力に欠けます。
それで、これはS君のゲット品だったのですが、私にくれました〜!??


d0110641_20353918.jpg

最終日の山岳地帯の廃村跡地では、複数の牛乳ビンが出ました。
「米原 本田牧場/消毒全乳 正味180cc」
「?井 杉本牧場 電話三七番/高温 殺菌 全乳180cc」


d0110641_2035527.jpg

これは、惜しかった、デカぺろ&コップ、右は「Okey」


d0110641_2036445.jpg

左が、今回の出物。これも残念、口が割れてました。右は参考品。
ほぼ相似形の兄弟みたいなもんなんですが、でもデカイ方はスペルがめちゃ
くちゃ!
「j」とか「c」は、ひっくりかえってワードになってません(笑い)
おもしろいので持って来ちゃいましたー。


d0110641_20361759.jpg

出ました! 国鉄マークの汽車土瓶。これは注ぎ口ありでした!


d0110641_20362655.jpg

アルミキャップ付きクリームびん。


d0110641_20385145.jpg

今回は、玉ガラスと云うよりも白いガラスのクリームやポマードのびん、
それも出来るだけ大きいものを持ち帰って来ました。
将来的には、植物のプランターにするつもりでーす!


と云うことで、これにて「1041.0kmの旅」シリーズは、おしまいです。

段々と気候も暖かくなって来ました。
そろそろディギングシーズンも終わりに近づいています。
あと何回、今期の紹介が出来ますかね・・・?

でもまだ、数回は行くでしょう。 きっと・・・・♬
[PR]
by hbc_nkzk2 | 2010-05-20 20:37 | 神薬 | Comments(4)