「魅惑の神薬」-おまけ 01
2010年 08月 14日
これは、京都のS氏所蔵の「資生堂製・コロダイン」。
どうやら庄司先生もお持ちではないようで・・・
いったいどこの資生堂製なのでしょうか?
この八角柱の形状は、元祖本町資生堂の流れをくむと思えますが・・・
肩部分の丸みのある形状は「三井資生堂、中田資生堂、室町資生堂」に
似ているとも云えます。
そして、本町〜牛込資生堂の流れを汲む「邑田(むらた)資生堂」にも
似ている・・・・
しかし、先述の4社の資生堂神薬のボトル形状は、八角柱の胴形からネックへ
流れるような丸みの肩形状に対して、この「資生堂製・コロダイン」は
一度、角を設けてさらに一段とって半円球を描いており、ボトル形状としても
非常に珍しいと云えます。
前回、神薬特集なのであまり言及しませんでしたが、コロダインは当時、神薬と
同じ人気の売薬でありながら、ボトル形状にあまり特徴がないように思います。
庄司先生の研究にも八角柱と円筒形の明治期の古いコロダインのボトルが紹介
されていますが、あまりデザイン的に優れた面白いものは少ないと勝手に認識
していました。
ですが、
この「資生堂製・コロダイン」の存在は、明らかに神薬を意識したボトルで
あり、もっと云えば、ほぼ類似品と云えます。
これは中身の内容物までもが似通っていたことと関係がないとは言い切れない
ような疑念を抱かざるを得ません。
もしかするとこの「資生堂製・コロダイン」は、胃腸薬としてではなく「神薬」
の効能で売られたモノかも知れません!
または、奈良の大和売薬の流れをくむ「神薬コロダイン」の「神薬」がいつの
間にか消えてしまった例なのでしょうか?
それぞれの売薬は、アイデンティティを打ち出すために独自のネーミングや
ボトル形状を生み出しました。
それをあえて、人気の売薬に似せたのでしょうか?
いったい、どこの資生堂が、どんな目的で製造したコロダインなのか、謎と期待
は膨らむばかりなのです。
もう一回ぐらい、おまけ行きます・・・
撮影協力:妖怪N氏