土の中から掘り出したガラスびんを研究してます


by HBC-BOW
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「魅惑の神薬」-6

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さて、「神薬」を語るうえで決して欠かせないのは「コロダイン」との関係
である。
先にも奈良の大和売薬の「神薬」は、「コロダイン」との並記が多く存在して
いるらしいことは述べたが、どうやら同じものか、あるいは何らかの共通性を
もつものであるらしい。
「コロダイン」と云えば、明治を代表する売薬の一つであり、ことに明治中頃
から大正、昭和にかけては安川晃栄堂で販売された胃腸薬「安川コロダイン」
(別名「赤十字コロダイン」)が有名である。
この胃腸薬は、当時の大手主要新聞各社のみならず、地方新聞にも大々的に
宣伝されており、世間では「安コロ」の略称で知られていたと云う。
そして、この「安川コロダイン」とエンボスがあるコバルトブルーのびんは、
「神薬」同様、当時を代表するものであった。
これ以前の古いものでは、大阪道修町・塩野三郎製の「免許精製・コロダイン」
や菜種問屋商大阪自由堂の「免許医薬用・コロダイン」などが確認されている。
また、他にも大正期に出回った代表的なものとしては、東京・星製薬(株)の
「ホシコロダイン」や三重・加藤翠松堂の「カトウコロダイン」が知られて
いる。
この売薬の起源については、英国の秘薬「chlorodyne(コロロダイン)」である
と云われており、ホロウェイ著『大英帝国王立の製薬会社』によると、この薬剤
は元来インド軍の軍医ジョン・コリス・ブラウンによってコレラの治療薬として
開発されたもので、その危険な内容物については、ビクトリア時代の売薬中最も
悪名高いものとされ、またその名前の由来については、
クロロホルム(chioroform)と鎮痛剤アノダイン(anodyne)からきたものだと
記されている。
そして、庄司先生の研究によると「コロダイン」と云う薬剤がクロロホルムと
モルヒネを主体とした英国製チンキ薬(薬品をアルコールに溶かしたもの)の
ことであり、処方に多くの方法があったこと、そして、わが国では明治初年に
すでに紹介されており、様々な調合法によって製造されていたこと、また東京で
販売されていたものでは英国の「フリースン」製が多く、国産のものもかなり
出回っていたと云うことである。
現・田辺製薬(株)でも早くも明治17年に「コロダイン」を製造していたことが
知られている。
話を「神薬」に戻すと、明治初年の資生堂製については知るよしもないが、
富山売薬や合資会社邑田資生堂のものなどを照合すると、モルヒネと云う成分
以外はほぼ類似することがわかる。



右は、加藤翠松堂の「カトウコロダイン」と思われるが、裏面には
ハウト液のような「Kato」のロゴは見られない。
左は、ニコニコ団が中国で手に入れた「昭和コロダイン」。

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「神薬」や「コロダイン」は、満州を始めアジア諸国へも広まったようだ。

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おなじみ安川晃栄堂の「安コロ」。

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以上で「神薬」特集を一応、修了しまーす。
でも本当に魅惑のびんですよねぇ!
これからも、未だ見ぬ「神薬びん」を求めて、日本全国、いや世界!?を
探し堀りまくります!




コロダイン所蔵すべて:奥沢ニコニコ団

出典:
謎の売薬「神薬」(第一部〜二部) ボトルシアター館長 庄司 太一

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by hbc_nkzk2 | 2010-08-05 16:39 | コロダイン | Comments(0)